第118回
近畿救急医学研究会

日本救急医学会近畿地方会

会長挨拶

林下 浩士このたび、平成30年6月16日に開かれる第118回近畿救急医学研究会を大阪市立総合医療センター・救命救急センターが主催させていただくことになりました。私事になりますが、私が学会発表を初めてさせていただいたのが、昭和62年12月和歌山で開かれた近畿救急医学研究会であり、次演者席で緊張しながら発表原稿を読み直ししていた自分を懐かしく思います。今回、伝統あるこの研究会を主催する身となり大きな責任を感じています。
今回のテーマは、「救急領域におけるチーム医療」といたしました。
近年、救急医療においては「preventable deathをゼロにする」から一歩進み「preventable disability(以下PD)を減らす」ことが注目されています。命を救うことが救急医療の第一義であることには変化はありません。しかし、救命した後の管理方法により、患者さんの身体・認知・精神機能の予後が大きく左右されることが多く報告されています。
救急医療においては優れたチーム医療が求められますが、さらに「PDを減らす」ためには、職種の垣根を超えたいっそうの緊密な連携が求められます。
皆さんにはご承知のことと思いますが、従来の救急隊、医師、看護師によるチームではなく、外科、内科などの他科医師の参画、理学療法士、臨床工学士、医療ソーシャルワーカーや、また院内発生の救急事案と考えられる入院患者の状態悪化を早期発見するrapid response team (RRT) など広範囲のメンバーやチームとの連携がPDを減らすためには不可欠になります。
現在、当センターでは早期リハビリテーションに力をいれています。人工呼吸器、カテコラミンを装着した症例にも積極的にリハビリテーションを行っていますが、その中には歩行訓練を実施することがあります。一部の積極的な医師と理学療法士の提言によって始まった人工呼吸装着中の患者さん歩行訓練は、人員も必要であり、アクシデント発生の可能性もあることからその実行を躊躇するメンバーもいたことは事実です。ただ歩行訓練を終えた患者が疲れながらも笑顔をみせたことで普及していきました。
また、治療にかかわることにおいても昼夜を問わず緊急のECMOや血液浄化法をスタンバイしてくれる臨床工学士の努力は、我々の負担をどれだけ減らしてくれているか、体制が整いつつある今改めて感激しています。
他にも色々な部門の人々が救急医療を支えていることに改めて気づかされています。
この近畿救急医学研究会では、多くの部門の仲間が日頃思っていることを言い合えるセッションをつくり、多くのコメディカルの方にも参加していただいて、患者さんのためにいい救急のチームづくりのきっかけになればと考えています。
当救命救急センター一同がんばって運営します。ただ、このような研究会運営に不慣れなため不手際な面もあるかと思います。そこのところは皆様の大きな気持ちで見つめていただけるようお願いします。

第118回近畿救急医学研究会 会長
大阪市立総合医療センター 救命救急センター長
林下 浩士